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ふるさと富山の人や物、風習や文化をドキュメンタリーでお届けします。

父の書斎~百合子の蓼科だより~

6月26日(日)午後4時~4時55分
「父の書斎~百合子の蓼科だより~」

長野県蓼科高原。
針葉樹に囲まれた森の中にひっそりと隠れるようにその山荘は建っている。
山荘は高岡市伏木出身の芥川賞作家、堀田善衞が50年前に建て使っていた書斎だ。ここで暮らしているのは堀田善衞の一人娘 百合子さん夫婦と2匹のネコ。春、草花が命を輝かせ、鳥たちがさえずり、時間はゆっくりと進んでいく。

戦後派最後の作家として、乱世に生きる人間を追求し、歴史への深い洞察に満ちた数多くの作品を残した父。娘の百合子さんには忘れられない記憶がある。
1968年民主化を進めていたチェコスロバキアにソ連を中心とした軍隊が侵攻し、武力で民主化を制圧する。一体何が起きているのかを自らの目で確かめる為、戦乱のプラハに向かう父、それを不安げに見送る母の姿だ。後に堀田は、その取材の経験を1冊の本にまとめることになる。
今、テレビが伝えるロシアによるウクライナ侵攻。半世紀前と同じ事態が再び繰り返され、父ならばどう受け止めるのだろうか?

冬から春、そして初夏へと移り変わる蓼科の風景を背景に百合子さんが静かに、懐かしく語りかける。
国家と人間に向けられた作家の視線、故郷富山への思い、そして人間、堀田善衞とは。
私たちは今、乱世の入り口にいるのか、あるいはただ中にいるのか。世界が混迷を深める中、明日を生きる道しるべを堀田が残した言葉から探る。

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