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グッドミュージックをフルコーラスでお届けします♪音楽が一番輝いていたあのころに、青春を過ごした人そして、そんな時代の音楽が大好きな人へお届けする30分です。

竹中晃のコラム ポケットにいつも音楽を入れて -ロック・おやじのつぶやき-

第96回 極私的な、2013年・・・」

 今年最後のコラムになりました。そんなわけで恒例の今年印象に残ったエンターティメント体験をメモふうに記します。
 毎度のことですが、これはあくまでも個人的な感想なので、そのへんのところ例によってご容赦ください。


【CD】
○デュアン・オールマン
「スカイドッグ・レトロスペクティヴ」
○ももいろクローバーZ「5th Dimension」
○細野晴臣「Havenly Music」
○ヴァン・ダイク・パークス
「ソングス・サイクルド」
○青葉市子「青葉市子と妖精たち ラジヲ」
○オールマン・ブラザーズ・バンド
「ブラザーズ&シスターズ(スーパーデラックス・エディション)」
○本條秀太郎「江戸室内歌曲 端唄」
○V・A「あまちゃん 歌のアルバム」
○Jimi Hendrix「Miami Pop Festival」
○ビートルズ「オン・エア ライヴ・アット・ザ・BBCライブVol,2」

 デュアン・オールマンの7枚組みボックスは質量とも圧倒的。ギターケースを模した箱やギター弦の紙袋ふうのCD袋などの装丁も素晴らしい。そのうえステッカーとピックも付いていて、まさに再発ボックスの鑑!。収録内容も濃くて、文句の付けようがない。

 ヴァン・ダイク・パークスの作品はジャケット・デザインが秀逸。ビジュアルが優れたLPは無敵!だ。LPもあるので出来たらLPを入手してほしい。もちろん近年のLPらしく、CDが封入されている。
 
 本條秀太郎のCDは数年前に発売されたものだが、十一月のコラムに書いたように私の<江戸散歩>の成果のひとつとして発見、購入した。本作は江戸吉原の風情を当時の歌とオリジナル曲で構成したもので、このような歌が江戸吉原で流れていたかと思うと、これが格別の味わい。深夜、音を低くして聴いていると何故かしみじみ落ち着くというのも日本人のDNAがそうさせるのだろうか。名盤だ。本條秀太郎の作品は他にもあって、氏のHPで購入できる。
 
 「あまちゃん 歌のアルバム」は今年の記念碑的な作品として選んだ。数年後に「潮騒のメモリー」や「暦の上ではディセンバー」を聴くことがあったら、間違いなくアキとユイの顔や『じぇじぇじぇ!』という言葉と共に2013年という年を思い出すに違いない。
 
 それにしても今年の大収穫は<青葉市子>に尽きる。六月に行われた細野晴臣さんのライブにゲスト出演していたことで知ったのだが、思わず過去の全作品を買ってしまった。本作はそのライブ同様に細野さんとのデュエット曲二曲が収録されている。彼女のクールさはなかなか。


【ライブ】
○ももいろクローバーZ「モモクノ60分」(一月・金沢)
○市川海老蔵「夏祭浪花鑑」(三月・東京)
○歌舞伎座六月大歌舞伎「土蜘蛛」(六月・東京)
○細野晴臣「Havenly Music」(六月・東京)
○文楽「竹本義太夫三百回忌 伊賀越道中双六」(九月・東京国立劇場小劇場)
○ボズ・スキャッグス(十一月・東京)
○ポール・マッカートニー(十一月・東京)


【本】
○「60年代新宿アナザー・ストーリー」
(本間建彦/社会評論社)
○「エゴ 加藤和彦、加藤和彦を語る」
(加藤和彦・前田祥丈/スペースシャワー・ブックス)
○「評伝 服部良一 日本のジャズ&ポップス史」(菊池清麿/彩流社)
○レコーディング・スタジオの伝説 20世紀の伝説が生れた場所(P-Vineブックス)
○ゴースト・ミュージシャン ソウル黄金時代―アメリカ南部の真実(鈴木啓志/DU BOOKS)
○「日本ロック&ポップス・アルバム名鑑1966-1978」(湯浅学/ミュージック・マガジン)

 「60年代新宿アナザー・ストーリー」は新宿が若者文化の拠点であった時代に伝説のタウン誌「新宿プレイマップ」の編集長だった著者の回顧録。サブタイトルに<極私的フィールドノート>とあるが、あの時代の新宿の空気を知るための一冊。

 「エゴ」は加藤和彦のインタビューをまとめたもので、すべて未発表のもの。付録として1972年4月に神田共立講堂で行われたソロ・コンサートの音源がCDで同封されている。時期的にはミカ・バンドデビュー直前のライブで、こちらも未発表音源。とにかくインタビューが秀逸で、加藤和彦の日本のポップスへの想いが語られている。機会があれば読んでみてください。
 
 「日本ロック&ポップス・アルバム名鑑1966-1978」はこれまでロックやポップスというジャンル内の作品だけで紹介されることがほとんどだった名盤のラインナップに、なんと!歌謡曲の名盤も書き加えられた画期的な一冊。
 つまり、加川良とゴールデンハーフのLPが並んで語られているわけで、この配列によって年毎の空気感がより鮮明になった。ただ、歌謡曲の名盤はまだまだあったはずで、そのあたり増やして欲しかったという想いはある。そしてそこに洋楽の名盤を加えると、さらに時代性が明確なものになると思う。もっともそうなると相当ぶ厚くなってしまうのだろうけど。


【展覧会&Etc.】
○『デザイン あ』
(東京ミッドタウン)
○『東京オリンピックのデザイン』
(東京都近代美術館)
○『カリフォルニア・デザイン1930-1965
 モダン・リヴィングの起源』
(東京国立新美術館)
○『ファインバーグ・コレクション展 江戸絵画の奇跡』
(江戸東京博物館)
○『スヌーピー展 しあわせは、きみをもっと知ること』
(森アーツセンター)
○『京都―洛中洛外絵と障壁画の美』
(東京国立博物館)
○『大恐竜展―ゴビ砂漠の驚異』(東京国立科学博物館)

 と、いろいろ挙げましたが、皆さんはどんな収穫があった一年だったでしょうか?
それでは良い年をお迎えください。

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